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働き方を変えてみよう! ~働き方の損益分岐点~

 

自分の働き方に疑問を持ったことはありませんか?

 

私は、「このままサラリーマン生活を続けていいのか?」と鮮明に思った瞬間があります。新入社員のころ、会社から1時間、離れた寮から毎日、満員電車に揺られながら、通勤していたのですが、ある日、乗り換え駅のエスカレーターで、私と同じようなサラリーマンが数えきれないくらいいたのを、ふと気づき、絶望したのを鮮明に覚えています。

 

折角、憧れの総合商社に勤めることが出来たのに、この冴えない感じはなんなのだろう、、、と違和感を覚え、それから、満員電車で通勤することから脱出しようと、決意しました。その後、約2年、寮から通い、お金を貯蓄し、会社に徒歩で通える場所に引っ越しました。

 

これで、満員電車からは解放されたのですが、結局、サラリーマンは、働く場所と働く時間を指定されており、私の「なんとなく冴えない感じ」は晴れることがありませんでした。「働く時間と場所の自由が奪われるなんて、現代版奴隷ではないか!」なんかを考え始め、FIREを目指そうとうっすらと感じ始めたのが、社会人4年目ぐらいだったと思います。そして資産運用を始めました。

 

前置きが少し長くなりましたが、そんな現代の労働の本質を資本主義の原則から分析し、今後の対策を提言している本が、小暮太一さん著、「働き方の損益分岐点」です。

 

 

今回は、本書を参考にしながら、私たちはどのように働き方を変えていけばよいのかを考えてみたので、よろしければご参考にしてください。

 

  私たちの給料ってどのように決まるの?~資本主義の原則~

マルクス著「資本論」に書かれている資本主義の原則を踏まえると、私たちの給料の決定の仕方は、「必要経費方式」と「利益分け前方式(成果報酬方式)」の2つに分かれます。後者は、完全歩合のことを指し、多くの労働者は前者に則って、給料は決定されております。

 

「必要経費方式」とは、ある労働者が、明日も同じように働く為に必要な経費を賄う為に、給料を支給するという考え方です。例えば、ある労働者が明日も同じように働く為には、食事や住宅、衣服、そして娯楽費などが必要な為、そちらに相当する金額を支給することで、明日も同じように働いてもらおうとする考え方です。

 

マルクス著「資本論」では、それを「使用価値」と「価値」という2つの言葉を使って説明しております。「使用価値」とは有用性のことであり、衣服は防寒の為に使用価値があり、食べ物は空腹を満たす為に使用価値があります。一方で、「価値」というのは、「それを生み出す為に、どれだけの労力が費やされたか」ということで決定します。

 

例えば、おにぎりの値段は、100円ですが、これは使用価値で決定しているのでなく、米代、具材代、人件費、包装費が合わさって100円と定義されており、決して使用価値によって、決まっているわけではないのです。ある価値のものを、使用価値が高いからといって高値で販売すると、使用者に不満を与える、また、競合が出てきたりして、結局、価値に収束します。

 

労働力も「価値」の一部なわけであって、決して有用性があるから、高値がつくわけではなく、その労働を生み出すためにコストがかかっている為に高値がつくわけなのです。医者が弁護士よりも給料が高いのは、どちらも同じ程度に社会で重要であっても、医者になるコストの方が高い為に、給料が高いのです。

 

資本家側は容赦しない

 上記で記載した給料の大前提を踏まえると、企業は「労働者の1日の時間・体力」を買い取っているわけです。だから、その労働者が効率的に、仕事をこなしたところで、企業はその分の負荷を与え、更に、利益を生み出させようと追及します。

 

例えば、綿を100kg作るのに、100円の綿糸と、100円の機械と100円の労働力が必要だと仮定します。200kg作るには、200円の綿糸と200円の機械が必要ですが、労働力は必ずしも200円必要ありません。ある労働者が一生懸命働いても、その労働者が明日も同じように働く為のコストはあまりかわらないので、120円の労働力だけで済むかもしれません。従い、企業はなるべく、労働者を一杯働かせて(酷使)、利潤を追求するようになります。すべての企業が競争しながら、展開されると、ラットレースに巻き込まれ、つまり、働いても働いても、もっと働くことを要求されるようになります。

 

こういった資本主義社会での労働の仕組みに違和感を感じたマルクスは「労働者は搾取されている」→「団結して、共産主義を目指せ」と話を展開したのです。一方で、「金持ち父さん 貧乏父さん」の著者として有名なロバート・キヨサキは、「労働者は搾取されている」→「不労所得を持って、ラットレースから抜け出せ」と話を進めたのです。

私たちはどのように働けばよいのか ~働き方の4つのポイント~

 

ラットレースに抜け出す為に、労働者は資本家に対抗していかなければなりません。しかし、マルクスの提唱したように、「団結して、共産主義を目指す」というのは、現実的ではないですし、共産主義がうまくいかないことは、歴史が証明しております。

 

従い、私たちは、ロバート・キヨサキが提唱しているように、「不労所得を持って、ラットレースから抜けだす」という手段を取るのが最適ですが、「いきなり不労所得を持て!と言われても、、、」って考えてしまいますよね。

 

そこで、小暮太一さんは、「ラットレースから抜け出すために、いきなり、不労所得と言われても、なかなか実践できる人もいないので、まずは働き方を変えてみましょう」と言っています。

 

企業が「売上ー費用」で利潤を最大化するのどうように、労働者も「昇給や昇進から得られる満足ー自己内経費(肉体的・精神的ストレス)=自己内利益」を最大化しなければならないと言っています。満足を最大化する為に、毎日長時間労働をしては、「自己内経費」が大きくなってしまい、結局「自己内利益」は残りません。

 

そこで下記4つの働き方のポイントを小暮太一さんは提言しています。

 

①世間相場よりストレスの感じない仕事を選ぶ

②まず積み上げによって、土台を作り、その土台の上でジャンプする

③労働力を消費するのではなく、投資する

④長期的な資産を作る仕事を選ぶ

 

①世間相場よりストレスの感じない仕事を選ぶ

ストレスの感じない仕事というのは、自分が興味を持てる仕事をやった方が良いということです。

②まず積み上げによって、土台を作り、その土台の上でジャンプする

 訪問営業のように、毎日一から100%走らないといけないような仕事をするのではなく、ある程度の土台を作った上で仕事をした方が、苦労は少ないということです。例えば、医者は大変な仕事でありますが、「知識」という最大の武器があるので、その土台の上にとって仕事をして、大きな収入を得られる仕事です。

③労働力を消費するのではなく、投資する

 例えば、家庭教師は、とても割の良い仕事ですが、スキルが身につくわけではなく、労働力を消費してしまっています。むしろ、社長の秘書として、大きな商談に同行するなど、経験を得られう仕事が重要と言っています。

④長期的な資産を作る仕事を選ぶ

 目先の利益を取るのではなく、積み上げて、経験・知識・人脈を得られるような仕事をした方が良い、ということを言っています。

 

以上、いかがでしたでしょうか?いまの自分の働き方が本当に最適なのか、考えるお役に立てていれば幸いです。私は、このように働き方を整理できてから、「評価される」というより、「自分の知識・経験となる」仕事を積極的に選ぶようにしております。

 

「金持ち父さん 貧乏父さん」もラットレースから抜け出す為のヒントとなる本なので、よろしければご覧下さい。

 

 

 

以上、最後まで読んで頂き、ありがとうございました。