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タテ・ヨコ・算数の考え方~出口浩明 先生の考え方~

先日、ライフネット生命保険株式会社創業者で、現在は立命館アジア太平洋大学学長を務める、出口浩明先生のお話を聞く機会がありました。その中で、非常に勉強になった考え方があったので、ご紹介させて頂きます。

 

出口先生は、物事を思考する際には、「タテ・ヨコ・算数」の3つの視点から捉えることが肝要であると仰っていました。それぞれ、どのような考え方なのでしょうか?私の言葉で恐縮ですが、例を出しながらご説明いたします。

 

 

タテの考え方

まず、最初に「タテ」の考え方です。「タテ」の考え方というのは、歴史に学びなさいということです。世界の脳科学者の間では、人間の脳はこの1万年間、全く進化していません。従い、喜怒哀楽や判断基準は、過去からあまり変わっていないということです。

 

勿論、飛行機がなかったり、インターネットがなかったり、時代背景は違いますが、根本となる脳の仕組み自体は、大きく変わっていないので、大いに参考になるとのことです。

 

例えば、新型コロナの感染拡大をタテの考え方で理解すると、まずは、14世紀に流行した「ペスト」があります。ペストの流行を抑える為、人々は、神に祈りましたが、教会に皆が集まった為、更に流行は拡大しました。結果、教会の権威が失墜して宗教改革が起こり、ルネサンスが一気に進展、社会構造が大きく変わりました。

 

次に、20世紀のスペイン風邪があります。スペイン風邪は、第一次世界大戦が収束しかけた頃に流行しましたが、戦争による精神的、経済的な被害を、更に大きくしました。結果、各国は強いリーダーを求めるようになり、ヒトラーやムッソリーニの台頭の遠因となっています。

 

つまり、感染病は、社会の権力者を変える大きな力を持っているのです。COVID-19もそのような革命の遠因となるかもしれません。これが、「タテ」の考え方です。

 

横の考え方

次は「ヨコ」の考え方です。「ヨコ」の考え方というのは、他の国や業界に学びなさいということです。つまり、日本で起きたことはアメリカで同じことが起きるかもしれないし、自動車業界で起きたことが食品業界でも起こるかもしれないということです。

 

例えばですが、新型コロナの感染拡大抑制と経済活動の両立が現在騒がれています。中国は徹底的な抑え込みで、一時は大きく経済活動が停滞しましたが、回復は他国と比較して、順調に進みました。一方で、スウェーデンは、経済活動を優先して、感染抑制政策をあまりとりませんでした。結果、感染はさらに拡大、経済も停滞することになりました。こうしたことから、感染拡大抑制対策をしないと、経済も同時に停滞するということを他国から我々は学ぶことが出来るのです。

 

 

算数の考え方

最後に「算数」の考え方です。「算数」の考え方とは、「エビソード」でなく、「エビデンス(数字)」で物事をとらえなさい、ということです。

 

例えば、コロナ禍では、連日、感染者○○人!!とエビソード的に物事が語られていますが、PCR検査数はどうだったのか?重症者の数はどうだったのか?などすべてを数字で考えると新型コロナ感染拡大の状況がより正確につかめるようになるということです。

 

皆さん、いかがでしたでしょうか?出口先生が非常にわかりやすく、物事の捉え方を教えてくださいました。物事を正確にとらえる為に、歴史や社会情勢、統計学なんかは学ばないといけないのですね。

 

参考図書

出口先生の有名な図書が「哲学と宗教全史」です。 

哲学と宗教全史

哲学と宗教全史

  • 作者:出口 治明
  • 発売日: 2019/08/08
  • メディア: Kindle版
 

 

 

また、出口先生の「算数」の考え方の参考になるのが「ファクトフルネス」です。

 

 

 

以上、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。